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第31回:消費税

みなさんはどこかで「消費税」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
今回の総選挙でも消費税の値上げをすべきかどうかで大きな話題となりました。それだけ私たちの生活に深く関わっている税金であることがわかります。では、なぜ消費税は私たちの生活に影響があるのでしょうか。そこで今回は「消費税」についてお話をしたいと思います。


消費税ってなに?

さて「消費税」っていったい何のことなのでしょうか。例えば、100円のお菓子を買いにレジに行くと、「105円です」といわれてビックリした経験はないでしょうか。日本ではある品物を買うと、その代金のうちの5%を税金として支払わなければならないことになっています。つまり、100円のお菓子のほかに支払っている5円が消費税なのです。

100円のお菓子であれば消費税はたったの5円ですので、たいしたことはないと思うかもしれません。しかし、大きなお買い物をするとたくさんの消費税を払わなければなりません。
以下の表をごらんください。

品物 値段 消費税
おかし 100円 5円
テレビ 10万円 5000円
1000万円 50万円

例えばテレビを10万円で買ったとすると、5000円もの消費税がかかります。また、家のような大きな買い物だとどうなるでしょうか。1000万円の家を建てると、なんと50万円もの消費税がかかることになります。このように、「たった5%」ですが、特に大きな買い物をしたときにはたくさんの消費税を払わなければなりません。
 では、この「消費税」はどんな特徴があるのでしょうか。大きな特徴として以下の2点があげられます。

1.どんなものを買ってもかかる税金
たとえば、たばこを買うときには「たばこ税」がかかります。また、車が走るためにはガソリンが必要となりますが、それには「ガソリン税」がかかります。このような税金は、たばこを吸う人や車に乗る人だけが支払う税金です。逆に言うと、たばこを吸わない、あるいは車を持っていない人はそもそもたばこやガソリンを買うことがないので、「たばこ税」や「ガソリン税」を支払う必要がありません。
ところが、消費税はほとんど全てのものにかかります。つまり、消費税を上げると全てのものの値段が上がるという特徴があります。

2. お金がない人にはツラい税金
消費税はお金持ちの人たちよりも、お金をあまり持っていない人に影響が大きいといわれています。では、それはなぜなのでしょうか。
例えば、お金持ちの人とお金をあまり持っていない人では、お金の感じ方が違うからです。たとえば生活費が20万円かかる場合、お金持ちであってもお金が無い人であっても消費税は1万円です。当然のことながら、お金持ちにとって1万円は大した金額でないかもしれませんが、お金を持っていない人にとって1万円は大金です。つまり消費税はお金が少ない人ほど負担が重く感じます。したがって消費税がさらに値上げになると、特にお金を持っていない人にはとても大きな影響があるのです。


政府は消費税を値上げしたい?

今お話してきたように、消費税は私たちの生活に大きな影響があり、特にお金がない人たちにとっては大問題です。
ところがそのような状況にも関わらず、日本の政府は消費税を現在の5%から値上げしようとしています。では、なぜ値上げをしようとしているのでしょうか。大きく分けて2つの理由があります。

1. 日本政府はお金が足りない
日本政府はここ10年以上、ずっとお金が足りない状態が続いています。毎年、政府は税金だけではお金が足りないため、国債という借金を毎年発行してなんとかやりくりをしているのです。以下の図をご覧ください。

毎年50兆円のお金が税金で入ってくるのですが、使うほうは80兆円ぐらい出て行くのです。つまり毎年約30兆円の借金をしており、そのため毎年借金は増え続けているのです。なんと膨れ上がった借金はいまや800兆円以上。しかも、これから高齢化社会がどんどん進んでいくので、医療費や老人ホームなどの施設、年金などを整備しようとするとますます多くのお金が必要になってきます。しかし、これ以上借金を増やせば将来のこどもたちがその借金を返していかなければならなくなってしまいます。そこで日本政府としては借金を減らすためになんとしても税金を増やしたいと考えており、それで消費税の値上げを考えているのです。

2. 日本の消費税は他の国と比べて低い
日本政府が消費税を値上げしようとしているもうひとつの理由があります。それは、他の国に比べて日本はまだ消費税の率が低いからです。以下の図をご覧ください。

各国の消費税比較

データ:2009年財務省ホームページより

ヨーロッパをはじめとして20%を超える消費税を支払っている国もあり、スウェーデンやデンマークなどではなんと25%も消費税を支払っています。一方、10%以下の国は少なく、日本はカナダと並んで5%であり、他の国と比較すると低い税率であることがわかります。そのため日本政府は、「他の外国並みとは言わないまでも、日本は税率は低いのだから少しぐらい上げるべきではないか」と言っているのです。

以上の2つの理由から、日本の政府は借金を少しでも減らしていかないと、どんどん借金が膨らんでしまうため、何とか借金を返済したいという思いがあるのです。ちなみに、消費税を1%上げると税金は2.7兆円増える計算になります。例えば、5%から7%へと2%増やすだけで、税金は5兆円以上増えることになります。


消費税は値上げされるの?

いまお話したとおりで日本政府にはお金がなく、足りないお金は借金でまかなっている状態が10年以上続いています。そのため、将来的には消費税を値上げして借金を返さなければならないかもしれませんが、しばらくは消費税が値上がりすることはないでしょう。

ではなぜ「しばらく消費税は値上げしない」のでしょうか。今は世の中の景気が悪いため、お給料が下がってしまった人やお給料があまりもらえない人、仕事が見つからずにお給料すらもらえない人がいっぱいいるのです。そのような状況でいま消費税を値上げすれば、今の時点で生活が苦しい人をさらに苦しめてしまうためです。したがって、日本政府は早く景気を回復させて、まずはみんながお仕事をしっかりと持ってお給料をもらえるようにすることが先なのです。

ただし先ほどお話したとおり、いつかは借金を返さなければなりません。今借りている借金を早く返さないと、将来のこどもたちが支払わなければならなくなってしまいます。そのため、今のように景気が悪い間は消費税を値上げするのは難しいかもしれませんが、3〜4年後に景気が回復すると、消費税を値上げする可能性は十分あるといえるでしょう。



執筆:坂本光(さかもと ひかる)CFP
一級ファイナンシャルプランナー・CFP®、日本キャリア開発協会認定キャリアカウンセラー、日本応用カウンセリング審議会認定心理カウンセラー。2006年5月週末起業を決意し、通信会社に勤務しながら合同会社FPアウトソーシング代表を務める。ファイナンシャルプランニングに関する個別相談・セミナー講師としても活動中。

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