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第24回:REIT(不動産投資信託)

昔は不動産投資といえば多額のお金を必要としました。例えば都内の新築ワンルームマンションであれば、2000〜3000万円ものお金が必要です。そのため不動産投資をしようとしても一部のお金持ちを除けば借金をしなければならないなど、一般の人には手が届きにくいというのが実情でした。

ところが、2001年からREIT(不動産投資信託)の販売が認められると、一般の人でも不動産投資ができるようになり、今ではたくさんの人が株式投資をする感覚で不動産投資をするようになりました。では、このREITとはいったいどんなものなのでしょうか。

そこで今回はREITについて解説します。


REITってなに?

REITとはいったい何のことなのでしょうか。

REITとは、「Real Estate Investment Trust」の略で、日本語では「不動産投資信託」といいます。一言で言うと、不動産を買うためのお金を証券取引所を通じて一般の投資家から集め、買った不動産の利益を投資家に配当するという仕組みです。アメリカ合衆国では歴史が古く、1960年に始まったのに対し、日本では2001年に東京証券取引所に上場したのが始まりです。日本でのREITを通称「J-REIT」と呼んでいます。

REITの仕組みは以下の通りです。

REITの仕組み

まず不動産に投資したい人たちからお金を集めます。そして、そのお金でオフィスビルやマンションなどの不動産に投資をします。そして建てたビルやマンションを貸せば賃貸収入が入ってきますので、そのお金を配当金として投資した人に分配するという仕組みになっています。

日本で2001年に東京証券取引所に上場した当初はわずか2銘柄でしたが、2009年1月現在では41銘柄にも上ります。投資先は「オフィスビル」「住宅用」「商業施設」「ホテル」など、それぞれ個別のREITによって投資する物件先が違います。


REITの特徴は?

では、REITにはどんな特徴があるのでしょうか。
以下のとおり大きく分けて5つの特徴があります。

1.株式と同じように証券会社でいつでも売買できる

2.手数料が安い

3.少額で不動産の分散投資ができる

4.利回りが比較的高い

5.不動産のプロが運用してくれる


1.株式と同じように証券会社でいつでも売買できる

通常、不動産投資は株みたいに簡単に売ったり買ったりすることはできません。例えばワンルームマンションの投資で言えば、自分の持っているマンションを他の人に売ろうと思ったら、数千万円もするマンションを買ってくれる人は簡単に見つからず、不動産屋さんにお願いしたりしなければなりません。

ところが、REITの場合は60〜100万円の単位で販売されており、しかも証券取引所を通じて売買されているため、買い手が見つからないということはほとんどありません。購入方法は一般の株式と全く同じ手続きですので、ネット証券などを通じて売買できるのが特徴です。


2.手数料が安い

通常はワンルームマンションなどを売却する際は、自分で買い手を見つけてくるのは難しいため、不動産屋さんにお願いすることになりますが、手数料は高く、通常は売買契約の約3%(正確には売買代金×3%+6万円)を不動産屋さんに支払わなければなりません。例えばマンションが2000万円で売れた場合には、不動産屋に支払う手数料として2000万円×3%+6万円=66万円かかることになります。

ところが、REITの場合は株式と全く同じですので、ネット証券であれば2000万円の取引をしたとしても、2000〜3000円の手数料で取引が可能となります。


3.少額で不動産の分散投資ができる

先ほどもお話をしましたが、例えば東京都23区内にある新築ワンルームマンション投資であれば、だいたい2000〜3000万円ぐらいの物件になってしまいます。しかし、REITであれば集めたお金をたくさんの人に小口にして販売されるため、60〜100万円程度から始めることができます。

例えば、100万円の現金を持っていて不動産投資をしようとする場合、2000万円のワンルームマンションを購入しようとすると、残りの1900万円を借金しなければならないのに対し、REITであれば100万円さえあれば借金をすることなく不動産投資を行うことができるということになります。また、REITで集められたお金は複数のオフィスやマンションなどに投資されるので、分散投資の効果もあります。


4.利回りが比較的高い

REITは通常の株式配当や貯蓄と比べて、一般的に利回りは高くなります。なぜ利回りが高いかというと、REITはある一定の条件を満たせば法人税がかからないからなのです。現在、日本では法人税は約40%となっており、例えばある企業の利益が100億円だとすると、そこから税金を40%支払わなければならないため、最終利益は60億円となります。

ところが、REITの場合はある条件を満たせば法人税はかかりませんので、100億円がそのまま最終利益となります。したがって、利益をまるまる全額配当に回すと仮定した場合、単純に計算しても100億円÷60億円≒1.7倍もの配当金を得られることになります。そのため利回りが高いのです。


5.不動産のプロが運用してくれる

通常、不動産投資を自分で行えば様々なリスクや手間が発生します。たとえば、ワンルームマンション投資の場合だと、借りる人が見つからなければその間は収入が入ってこないため、空室リスクがあります。また、マンションがある程度古くなると部屋の中のリフォームを自分で行わなければならず、手間がかかります。

ところが、REITであれば不動産のプロが運用してくれ、空室があればテナントを見つけてくれたり、あるいはマンションが古くなれば、賃料を上げるためにリフォームをしてくれるなど、本来、不動産投資を行っていればかかる多くの手間がかかりません。つまり、不動産のプロが賃貸収入をたくさん稼ぐために、空室が出ないようにテナントを探したり、リフォームをしたりと、一般の人ではなかなか手が行き届かないところを不動産のプロが代わりに行ってくれるのです。


サブプライムローンの影響は?

2009年2月現在、サブプライムローンによって不動産業界は大打撃を受けており、当然のことながらREITは不動産投資そのものですので、REITの価格は大きく値下がりしていおり、ちょうど1年前の2008年1月頃の価格と比較しても約1/2となっています。しかし、配当金そのものはビルやマンションからの賃貸収入ですので、それほど急激に下がることはありません。そのため、2008年1月頃のREITの平均利回りは3〜5%だったのが、最近では8%以上(2009年1月現在)となり、1年前の約2倍になっています。銀行の定期預金が0.3%前後であることを考えればとても魅力的な金融商品といえるかもしれません。

しかしながら、2008年10月9日には「ニューシティ・レジデンス投資法人」というJ-REITの1つが破綻してしまいました。2001年当初は2銘柄だったREITも現在は41銘柄に増えましたが、不動産不況となった今、REITは多すぎるのが現状です。不動産市場はまだまだ先行きの見通しが暗く、REIT価格の下落や、第2のREITの破綻の可能性も捨てきれないため、まだ怖くてREITには投資できないという人が多いのが実情なのです。


 

執筆:坂本光(さかもと ひかる)CFP
一級ファイナンシャルプランナー・CFP®、日本キャリア開発協会認定キャリアカウンセラー、日本応用カウンセリング審議会認定心理カウンセラー。2006年5月週末起業を決意し、通信会社に勤務しながら合同会社FPアウトソーシング代表を務める。ファイナンシャルプランニングに関する個別相談・セミナー講師としても活動中。

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